旅館業

旅館業法では「旅館業とは宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」と規定されています。

宿泊料とは、寝具や部屋の使用料ですが、実質的に宿泊料に相当するものを受け取る場合は、名目が宿泊料でなくても営業の許可を受ける必要があります。

宿泊させる営業とは、友人を泊めるなどの個人の生活の中の行為ではなく、不特定多数の宿泊を反復継続して受けているものを指します。実質的にビジネスだと判断されるものはこれに該当します。

消防設備の不備や犯罪行為への悪用が違法民泊では発生しており、悪質な業者は送検される事案も出ております。利用者・経営者お互いの安心・快適な施設活用のためにも、法令に則った開業を目指しましょう。

 

 

宿泊施設の開業を目指す場合、以下のような形態があります。

ホテル・旅館・簡易宿所・下宿・民泊新法規定内の民泊営業

 

形態によっては、設備の規定や宿泊日数・期間の規定があるため、年間を通して営業を行う場合は、簡易宿泊の営業を目指すこととなります。


民泊物件の選び方

民泊は国や自治体としても、まだまだ試行錯誤をしながら制度を作り上げていっている段階ですので、できる限り今後の規制緩和や法令の変遷にも気を付ける必要があります。

用意した物件が、将来的にも違法営業とならないように、慎重に要件の確認を行い、政策の流れに注意を払いましょう。

 

民泊に使用する物件を選ぶ際に、まず重要なのは、立地です。

法令により、旅館業の許可をそもそも受けられない地域もあり、さらに各自治体の条例により、民泊設置ができる場所・できない場所といった規制があるところもあります。

 

物件そのもので言えば、マンションの一室を民泊にする場合は、マンションの管理規約の確認も必要です。

一般的には「専有部分をもっぱら住宅として使い、他の用途に使用してはならない」とされていることが多くなっています。

一戸建ての場合は、違法・既存不適格建築物でないかの確認が必要です。

 

物件の用途地域

 

建物には「住居」「病院」「学校」「工場」など用途が決められています。

旅館業を営業できる用途地域は、以下の6種類の地域です。

①第一種住居地域(面積・階数等の制限あり)

②第二種住居地域

③準住居地域

④近隣商業地域

⑤商業地域

⑥準工業地域

なお、民泊新法に準ずる場合は、旅館営業ではなく住宅を貸すという考えになるので、工業地域でなければ、上記以外の用途地域でも可能です。

ただし、宿泊日数の制限等があるので、本格的な宿泊営業による収益からは遠くなってしまいます。

 

今現在、他の用途になっている物件で始める場合は、旅館業を営業できる用途地域であるかの確認をかならずしましょう。

面積が100㎡以下であれば、用途変更の確認申請自体は不要ですが、確認を受けなくてよいというだけで、ほかの用途に自由に使ってよいというわけではありません。

のちのち違法営業を指摘されたり、近隣の方とのトラブルにならないようにするためにも、法令を遵守した民泊営業を目指しましょう。